映画・演劇(中東)の最近のブログ記事

彩りを増量

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どうも、イランにやってきてからというもの、ブログにも彩りを欠いているような気がしてきた。ということで、「彩り」を増量。先日のファジル国際映画祭オープニングセレモニーでのスナップをアップいたします。
映画祭は4日から一週間分のチケットを購入したのだが、どれだけ鑑賞できるかは不透明。(写真をクリックすると拡大されます)


それにしても、この映画祭のスタッフの女性たちは、かいがいしい上に、英語も流暢に話していた。イスラム教シーア派大国イランの底力をみた思いがする。


このほかにも、体からエネルギーを発しているような軍服姿の若い男性の写真なども、撮ったりしているが、そういったものも、需要があるようならば、アップしたいと思います。


イラン最大の映画祭「ファジル国際映画祭」のオープニングセレモニーを見てきた。1月30日の夜、テヘラン市が去年秋に完成させた「ミラードタワー」付属のホールで行われた。イラン映画ファンを自認する身としては、いつかは来てみたかった映画祭。だが、国際映画祭というにもかかわらず、会場には、英語のパンフレットもなく、そもそもペルシャ語でも、出品作を包括的に解説するパンフすらない。式典も、事務局トップやらのスピーチが延々と続き、映画の上映もない。アトラクションのイラン伝統音楽や伝統舞踊は、初めてだったので新鮮と言えばそうだったが、べつに映画には関係ない。巨匠アッバス・キアロスタミの姿はなかったが、「そして式典は延々続く」。



そんななかで、会場に彩りをそえていたのが、映画祭スタッフの女性たち。最初、イラン航空のスチュワーデス(客室乗務員)か、と思ったが、来場者をてきぱきと案内するなど、大活躍。(写真をクリックすると拡大されます)


写真撮影のお願いにも、このように気さくに応じてくれた。それにしても、映画祭という性格もあり、会場に来ていた女性たちのヘジャブも、前頭部の頭髪をあらわにした、当局がいうところの「バッド・ヘジャブ」が多かった。時代の移り変わりをしみじみと感じる。


べつに笑いをとろうしているわけではないようだったが、27回目となる伝統の映画祭にしては、不手際も目立った。映像上映のためにゆっくり下りてきたスクリーンが、装飾用のついたてにひっかかって止まってしまった。どう対応するか注目されたが、そのままの状態で放置され、何ごともなかったように予定が変更され、音楽演奏が始まった。



ミラードタワーは昨年10月にテヘラン西部に完成し、テヘランのランドマークとなった。真下から見上げるとかなりの迫力だ。


SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」をのぞくため、埼玉県川口市に行ってきた。SKIPシティは、「さいたま新産業拠点」ともいい、「映像関連産業を核とした次世代産業の導入・集積」を目指して、埼玉県や、すでにアーカイブ施設を進出させたNHKなどが中心に推進する産業ゾーンのようだ。会場は、JR京浜東北線川口駅からシャトルバス利用で10数分。

映画祭は、デジタル作品を対象として、2004年から、このSKIPシティで行われていたらしいが、恥ずかしながら、存在を知ったのは数週間前。映画祭スタッフによれば、過去に上映された中東の映画は、トルコ、イスラエルの作品で、今回見た「戦禍の下で」(レバノン映画)が初のアラブ映画上映のようで、それなら、知らなかったのも仕方ないか、という気も。

「戦禍の下で」は、今春のアラブ映画祭で上映された「BOSTA(ボスタ)」のフィリップ・アラクティンジ監督の長編第2作目。

2006年夏に一か月あまり続いた「レバノン紛争」下の南部レバノンが舞台で、生き別れになった我が子を探し求めてさまよう女性と、それに協力する南部出身のタクシー運転手を中心にした一種のロードムービー。

特筆すべきは、撮影が、まさに現在進行の紛争の渦中で行われている点。プロの役者起用は3人だけで、ほかは、実際に紛争の被害を受けた住民を登場させている。撮影開始は、「レバノン紛争」勃発直後で、空爆や、国連増派部隊(仏軍)の到着など、まさに今起きている紛争のリアルなシーンをロケ現場にした、「ドキュ・ドラマ」に仕上がっている。

来日して上映後のトークショーに出演した助監督のビシャーラ・アッタラ氏によれば、紛争勃発後すぐ、フィリップ監督が「ラフなアイディア」を考え、居住先のパリからレバノン入り。その後、フランス国籍を持つフィリップ監督が、国外避難を余儀なくされるなど中断があったが、紛争中・後の計3か月間で撮影されたものだという。主に屋外シーンを紛争中と紛争終結直後に撮影し、その後で、室内シーンを撮っていったのだという。

女性が港に着くシーンは、退避勧告に従ってフランス人がレバノン脱出のため軍艦に乗り込んでいる中で撮影されているし、国連舞台の到着のシーンも、一瞬、大規模なロケをやったのか、と錯覚するほど、ドラマと現実が違和感なく融合している。

「ボスタ」でダンサー役を務めたビシャーラ・アッタラ氏は今回、少数のチーム編成になったことからも、助監督に加え、俳優としても出演。多分、タクシー運転手を罵倒するアラブ人記者の役だったはず。

そのビシャーラ氏のトークショーでの映画解題も面白かった。ストーリーを明かすのはここでは避けたいが、映画中のフィクションは、「この戦争では普通であり、リアルなイメージだった」ことを強調していた。

私見だが、前作「ボスタ」と通底するメッセージがあるとすれば、それは、困難な状況下でのレバノン人の連帯の訴え、だろうか。作品で声高に叫ばれる訳ではない。だが、さまざまな立場にありながらも、レバノン国民は、この紛争の苦しみを共有したのだ、ということを、作品は強調していたようにも見える。つまり、海外を飛び回る経済人(主人公の女性)も、イスラエル協力者の弟(親イスラエルの民兵組織『南レバノン軍』(SLA)に加わり、2000年のイスラエルの南部レバノン撤退以後、イスラエルに亡命したという設定だったようだ)を持つタクシー運転手も、等しく戦禍に苦しんでいるのだ、という点を浮かび上がらせようとしていたようにも見えた。

フィリップ監督前作「ボスタ」については、拙ブログのこの記事も参照


日本アラブ協会が発行する、季刊アラブの2008年夏号に、エジプトの映画監督、ムハンマド・ハーン監督(写真右)のインタビュー記事を書かせてもらった。題して、「ハンム(アラビア語で「心配」、「悩み」の意)を欠いた時代」。ハーン監督は、イスラエルとの単独和平で歴史に名を残したアンワル・サダト大統領の伝記「サダトの時代」の監督を務めたエジプト映画界の重鎮。

今年春に、「アラブ映画祭」の招待で来日したハーン監督に話を聞いた。介添え役として、カフェバグダッドの第6弾イベントのゲストにも招いた佐野光子氏(写真左)が、かたわらに陣取る中で、ハーン監督に一時間ほど話を聞いた。

実は、「サダトの時代」が公開された2001年、カイロでハーン監督の自宅を訪れ、インタビューしたことがあったが、監督は、その時よりも、リラックスした感じで、率直な意見を語ってくれた。


20日から27日までの日程で、東京都内5会場で開催されている「難民映画祭」に、行ってきた。見ようと思いつつ、果たしていなかった、広河隆一氏が監督したドキュメンタリー「パレスチナ1948・ナクバ」を、渋谷のNHKふれあいホールにて。映画祭は、国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所の主催で、今回が第3回というが、初めての鑑賞となった。料金無料ということもあって、豪雨にもかかわらず、会場はほぼ満員。上映後には広河氏のあいさつと質疑応答が行われた。

作品は、広河氏が報道写真家などとしてイスラエル・パレスチナ紛争に関わり続けた40年間の総決算という意味合いが色濃い。広河氏は、この作品に織り込めなかったエピソード、ストーリーがたくさんあったと強調した上で、40時間以上の「完全版」の完成に向けて追い込み中、とアピールされていたが、今回上映の2時間11分のバージョンでも、「広河氏とパレスチナ」の関係性がわかる内容となっていた。
1948年の「イスラエル建国」のパレスチナ側の呼び名である「ナクバ」(アラビア語で破局の意)で故郷を追われ難民化したパレスチナ人のその後の苦難を追いかけるという基本的な流れがあるが、やはり、強烈な印象を観客に与えるのは、レバノンの「サブラ・シャティーラ難民キャンプ」の虐殺をとらえた広河氏の作品の数々だ。この事件は、広河氏が、世界に先駆けて報じた「スクープ」と評価され、今も、ジャーナリスト・広河隆一を象徴するものになっている。

あいさつでも言っていたように、広河氏がこの作品に込めたのは、「現在のイスラエル・パレスチナ問題の出発点はナクバにある」という点だ。

このほか映画祭では、イランのクルド人監督バフマン・ゴバディ監督の「亀も空を飛ぶ」や、NHK制作でテレビで放映された「リトル・バグダッド」など中東モノが上映されるようだ。

以前に鑑賞した際に拙ブログに書いた「亀も空を飛ぶ」評は、こちら

アラブ映画祭閉幕

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アラブ映画祭2008が25日、閉幕した。今年の新作上映は6本。充実度や熱気などの面からも衰退感は否めないと感じてしまうが、来年も開催されることを期待したい。

初日に観た「BOSTA(ボスタ)」と「デイズ・オブ・グローリー」をのぞく4本は、23日曜日に鑑賞。本数が少なかったこともあるが今年は、新規上映作品は、すべて鑑賞することができた。アルハムドリッラー。

「満開(満月)」(ヨルダン映画)ヨルダン生まれのパレスチナ人、サンドラ・マーディーさんが、ヨルダンのバカア・パレスチナ難民キャンプでボクサーとして生きる男性を追いかけた作品。他の多くのパレスチナ問題をテーマにした作品同様、重たい作品だ。とりわけ、パレスチナ人が、パレスチナ問題を軽やかに撮るのは、難しいことなんだろうなあ、と思う。別にそうするべき、というわけではないが。
ユーモアがふんだんに盛り込まれたフィクション映画「D・I」のエリア・スレイマン監督なんかは、やはり、イスラエル国籍のパレスチナ人だからなあ、などとも考えてしまう。
来月のカフェバグダッドのイベントにゲストとして招いた師岡カリーマさんが、来月発売する予定の新著の中で紹介するという、ニューヨークのパレスチナ人コメディアンを紹介するらしいが、そのさわりの話を聞いていると、これまでのパレスチナ芸(術)人界と比べて、面白い可能性を秘めた存在なのかも知れない。

「VHSカフルーシャ ?アラブのターザンを探して」(チュニジア映画)
理屈抜きに面白い。映画祭スタッフの佐野光子さんの今回イチオシ作品。アメリカのサンダンス映画祭にも出品したらしい。

「サービス圏外」(シリア映画)
アブドルラティフ監督の過去上映作「ラジオのリクエスト」で狂人役を演じた俳優が、政治犯で服役中の友人の妻を支援するシリアスな役柄で再登場。いい役者だ。監督の過去の来日の際に通訳したエリコ通信代表・新谷恵司氏にちなんだという、登場人物「シャンタニ」と主人公が行く、マクハー(カフェ)は、よさそうなカフェだった。
ダマスカスの魅力いっぱい紹介、という側面もあったが、キオスクの男が秘密警察関係者で、獄中の友人に関する情報を主人公にもたらす、という設定。いかにも、現大統領の父、ハーフェズ・アサド大統領が作り上げた世界有数の「秘密警察国家」シリアらしさがただようが、こうした設定を映画に盛り込むこと自体は、別に問題がないのだろうか、とやや不思議に感じた。

「ヘリオポリスのアパートで」(エジプト映画)

アラブ映画専門家、佐野光子氏によると、ムハンマド・ハーン監督は、女性を撮らせると天下一品なのだそうだ。確かに、だんだん美しさを増していくミニヤ出身の主人公の変化をうまく描いている。個人的には、唐沢寿明似の男性主人公に結婚を迫る女性役のほうが、いかにもエジプト人という感じもあり、いい役者と思ったが。ところで、字幕でも映画中でも、ミニヤは上エジプトとなっていたようだが、エジプト人には、中エジプトというカテゴリーはなかったのだったか?
ハーン監督は、今回イ、久しぶりの来日を果たした。アンワル・サダト大統領の伝記映画「サダトの日々」やそれに主演して、3年前になくなったアハマド・ザギなどの話をインタビューしたので、機会があれば、紹介していきたい。
(写真は、開幕セレモニーの様子)



アラブ映画祭2008の初日(3月17日)に上映された2作品。

「BOSTA(ボスタ)」(レバノン映画)
レバノンに「タブケ」という伝統芸能があるらしい。「デジ・タブケ」と自称する現代と融合したタブケを追求する楽団が、レバノン各地を巡業する過程での人間模様・葛藤を描いた。鑑賞後、「ストーリーが分かりにくい」といった反応が聞かれた。監督のメッセージは、多分、「歴史的な宗派主義から脱却し、レバノンは再生せよ」といったことだろう。作品中で、年上の世代から酷評されつつも、次第に認められていく「デジ・タブケ」は、そうした「新しいレバノン」の象徴である、といった監督の思いが、レバノンの歴史や現代の事情をよく知らない人には、ピンと来ない、という側面があるようだ。日本でのロードショー上映が模索されているようだが、果たして、「踊るマハラジャ」や、「ジプシー・キャラバン」のような、幅広い層の話題になるような作品になるか、どうか。

鑑賞後に会場で会ったエジプト人のアブドラ・アルモーメン氏は、「一般的には、エジプト人には理解しにくいだろう」といったような感想をもらしていた。アラブ人のための映画、というよりは、レバノン人のための映画、という感は否めないのだろう。


「デイズ・オブ・グローリー」(アルジェリア映画)

アラビア語やアラブ音楽が飛び交う稀有な、第二次世界大戦欧州戦線モノの映画。どうもベルベル人と見られるフランス植民地下のアルジェリアなどの若者たちが、フランス国家への忠誠心を抱き、フランス解放の戦いに参加し、その多くが戦死する、という史実に基づいた話。その後、アルジェリアがフランスから独立した後、アルジェリアのベルベル人たちは、「フランスに加担した裏切り者」とのレッテルを張られ続けていることも考えあわせると、なんとも考えさせられる作品だ。

「旅と音楽をテーマにした」というグルービン・ハイ(Groovin' High)というウェブ・マガジン・サイトが、GHTVなる映像配信プロジェクトを行っていて、その中で、現在東京で開催中のアラブ映画祭2008の紹介をしている。現在アップされているのは、アラブ映画祭プログラム・ディレクター石坂健治氏のインタビュー。

石坂健治氏とのインタビュー映像

聞き手は、グルービン・ハイに関わっている写真家・文筆家の机直人氏。このサイトの存在も、アラブ映画祭会場の草月会館で、机氏に教えてもらった。

サイトに掲載されている机氏の写真は、こちら

ちなみに、カフェバグダッドに以前ゲストとして来ていただいた、村田信一氏もサイトに写真を掲載している。ここ

グルービン・ハイ(Groovin' High)(音が出ます)

国際交流基金主催の「アラブ映画祭2008」が開幕した。
前半は、会場が草月会館で、アルジェリア映画「デイズ・オブ・グローリー」とレバノン映画「BOSTA(ボスタ)」の2本が上映された。
開幕パーティーには、来日した、ムハンマド・ハーン(エジプト)、サンドラ・マーディー(ヨルダン)、ナジーブ・ベルカーディー(チュニジア)の三氏も顔を見せ、それぞれあいさつ。個人的には、ムハンマド・ハーン氏には、「サダトの日々」がエジプトで公開された際、カイロで取材でお会いして以来、久しぶりの再会。「サダトの日々」でサダト大統領役を演じ、ハーン監督が同作品を含め、自作で6度起用したという、名優アハマド・ザキの追悼話でしんみり。

2005年春に若くしてがんで亡くなったアハマド・ザキについては、拙ブログのこの記事参照。

サンドラ・マーディーさんはヨルダン生まれのパレスチナ人らしく、やはり、ヨルダン在住のパレスチナ人女性監督の消息などで話を交わした。



国際交流基金主催の「アラブ映画祭2008」が3月17日から開催される。今年の新作上映は6本。国別では、エジプト1、シリア1、ヨルダン1、チュニジア1、アルジェリア・モロッコなどの合作が1。このほか、「アンコール」と題した過去の映画祭作品の再上映が8本。

このうち、エジプトの「へリオポリスのアパートで」は、アンワル・サダト大統領の伝記「サダトの日々」や昨年の第3回映画祭で上映された「ヒンドとカミリアの夢」などで知られるムハンマド・ハーン監督の作品。シリアの「サービス圏外」は、アブドゥルラティフ・アブドゥルハミド監督作品。過去上映作「ラジオのリクエスト」の監督だ。

アンコール上映には、このブログでも再三紹介してきた「テロリズムとケバブ」、昨年映画祭の目玉ともいえた「ヤコービエン・ビルディング」などが盛り込まれている。


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